支援を継続させる

援助は時に依存を生む

これまで、社会問題の解決には自己犠牲を迫られることが多くありました。そして、自己犠牲の精神に基づくがゆえに、支援を続けることができないという現実の壁にぶつかることも少なくありませんでした。支援される側が常に求めるのは、「持続可能な支援」です。そうでなければ、結果として、社会的弱者を傷つけることすらあります。

例えば、ニューヨーク大学の教授を務めるウィリアム・イースタリーはこんな分析を示しています。ア彼によれば、アフリカの一人あたり成長率と援助額は反比例するのだといいます。発展のための援助のはずが、援助額が増大したとしても発展の速度は改善せす、少なくとも「これまでの援助」は自立をもたらさないのだ、と。

そのような慈善の問題解決の限界に対し、「社会起業家」や「ソーシャル・ビジネス」と呼ばれるアプローチが登場します。彼らはビジネスの方法論を取り入れ、事業としての効率や継続性を活動の前提に求めました

自立可能なアプローチとしての社会起業

WIAは特に社会起業家/社会的企業に持続可能な支援と分断を越えた革新の軸となる役割を期待しています。だから、支援先の最小要件として、以下7つの原則を据えることにしました。

1. 社会的な問題解決を最優先に掲げ、行動し、判断すること(法人格は問いません)

2. 組織として効率を求め、受益者に適切なサービスを提供し続けること(まず、やってみせること)

3. 従業員やボランティアを中心とする利害関係者との健全な関係の維持(誰かが犠牲にならない仕組みに変えていくこと)

4. 受益者にもたらしたポジティブな変化を可能な限り定量的に計測し、公表すること(計測に基づいた検証を行い、知見を蓄積していくこと)

5. 創出された利益を更なる問題解決へ配分すること(利益の再投資)

6. 自らが創出しようとしている影響に対して、世代や地域の連鎖構造を理解し、学習し続ける仕組みの構築。(ガバナンス)

7. 失敗を糧とすること(リスクテイク/リスクコントロール)

本来、あらゆる社会問題は解決することができる

資金や事業の効率を上げることができ、かつ、開発されたノウハウが開示され、それが社会に広く模倣される仕組みがあれば、解ける問題は数多く存在します。世界の経済は発展しているのですから、社会を良い方向に向けていこうという努力が徒労に終わるのは、マネジメントの問題でしかありません。

それを変えるために、我々は財団やファンドという仕組み、支援を支える仕組みを再発明する、ということがその近道だと考えています。 WIAはお預かりした資金を伸びしろの大きい社会的企業に投じることで、新しい社会をつくっていきます。

資金提供をしたけれど、制約や手続きが多すぎて中間搾取にしか見えなかったり、タイミングのずれが破産や従業員の解雇を招いてしまったり、資金供給者の都合で約束を反故にされて、順調だった事業を止めざるを得なかったり。こういった問題は、卒業する時期にきていると考えています。