財団について

友人からのふとした相談―財団設立のきっかけ

親族の遺産をNPOに寄付をしたいんだけれど、どうしたらいいかな?大きな団体や自治体に寄付をしても、何も変わらない気がする。教育機会に恵まれない子供達の支援をできるだけ、という故人の遺志とちょっと違ってくるような気がするんだ―――。

実は、財団のことを考え初めたのは大学時代の友人からのそんな相談からでした。そして、我々は悩み始めます。じゃあ、こういうところが考えられる、と意見交換を重ねたものの、数千万の寄付を小規模のNPOに寄付をすることを我々としては勧めることができなかった。金額が大きすぎ、効果的に使われない可能性がありました。

考えあぐねた我々が提案をしたのは、「基金を設立して、資産を運用しながら、その運用益を少しづつでも良い活動をしているNPOに寄付をする」という仕組みでした。これは欧米の非営利組織や大学などでも経営の一環として取り入れられている手法でした。


与える側と与えられる側が対等な関係を築けるように―財団の目指すもの

友人の相談を経て、あえて財団を立ち上げた理由は、寄付をする側と寄付をされる側の間で頻繁に発生する「お金のミスマッチ」と「時間のミスマッチ」を無くしたいからでした。

非営利の活動が上手く行かなくなる時はたった二つしかありません。お金を使いすぎた時か、お金をもらいすぎた時です。しかし、お互い事情があって、もらいすぎたり、あげすぎたりすることが、本当に多い。この不幸な行き違いを我々は変えて行きたいと思っています。

支援する側とされる側の関係性が、長期的な問題解決の可能性を決定する

考えてみれば、情報や資金の偏在はこの非営利セクターほど激しい分野は存在しないかもしれません。現場には情報はあるけれど、資金を託したという方々にまで情報を届けることができていない。資金を託したい方はいるけれど、良い非営利組織には出会い難い。

我々は基金の組成を通じて、篤志家と非営利組織の関係性を更新し、さらには、互いの関係性の背景にある情報と力の固定化という問題を解決していきたいと考えています。


代表者メッセージ―世界は自ら変えることができるという希望

私は1980年の大阪市に生まれ、公害という社会問題に翻弄されながら子供時代を過ごしました。

全寮制の養護学校で過ごした小学校高学年の頃。僕は社会を変えたいと思うどころか“社会”から隔離され、自信を持つ術すらなく、自分の運命を呪ったりするばかりでした。そんな僕の世界を変えてくれたのが、寮で仲良くなった2人の存在でした。1人は酸素テントなしでは暮らせない重度のアレルギー。そしてもう1人は喘息の発作が命取りになりかねないという状況にも関わらず、誰よりも明るかったんです。

そんな不思議にも明るい存在を前に、前を向くということは、病気とは、つまり、自分の置かれた状況とは関係がないのだという答えに、僕は長い時間を経てたどり着きました。それは、前向きな意志が未来を切り開いていくのだということを信じ始めた瞬間でもありました。

私は少しづつ、社会を変えていく側に歩みを始めます。そう、“弱い”というレッテルは、他者から“貼られた”ものにしかすぎません。でもそんなレッテルによって、僕らの力は奪われてしまいます。

そう、私自身が見た病と戦う友人たちの姿は「非営利組織」の原型でした。我々は基金やファンドの組成を通じて、非営利組織の支援を続けていきます。

一般財団法人World In Asia 代表理事 加藤徹生